恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~

「ううん。これね、日中は太陽の光を吸収して、暗いところでは光るの。ちゅら玉って言うんだって。他にもいろんな色があるみたいだよ」


「へえー、不思議やさー。ジンジン(蛍)みたいだねー」


見てよ、と里菜が声を掛けると、さささっと寄って来た悠真がちゅら玉をじーっと見つめた。


「不思議な色やさ。何かねこれ……青色が透けちょるばぁ」


あたしは携帯を振ってストラップを揺らし、クスクス笑った。


「クリアブルー、だよ」


「「クリアブルー?」」


「うん、そう。透明な青」


まるで透明な青色の光を放つ蛍がふわふわと飛んでいるようだ。


「クリアブルーは、与那星島の海の色」


あたしが言うと、ふたりは「やさーやさー」と嬉しそうに笑った。


「陽妃、うまいこと言うさー」


と悠真があたしの背中をバシバシ叩いた。


「痛い……」


「ね、陽妃」


今度は里菜がバシバシ肩を叩いてきた。


「痛いって」


あたしはつい笑ってしまった。


なんでかな。


ふたりと一緒に居ると、なんでこんなに楽しいのかな。


わくわくする。


あたしを明るい気持ちにしてくれるふたりは、太陽みたいだ。


里菜がちゅら玉をつんと突いた。


「これ、どこで買ったのか? わんも欲しいさ」


「あ、ごめん。自分で買ったわけじゃないから分からないの。貰ったものだから」


「あっ、もしかして。くれたのやあの子かみ?」


あたしは頷いた。


「うん。海斗がくれたの」


「へえー、いいねー」


「……幸せが来るように、って」


ああ、やさからかー、と悠真が妙に納得したように言って笑った。


「やさから、あんなに携帯に執着していたんか」


「……うん」


返事をしながら、あたしは携帯をぎゅっと胸に抱いた。


胸元で、ちゅら玉がぽわっと光る。


海斗。


今頃、何してるのかな。