「陽妃、あっちさ。行こう」
「うん」
里菜とはぐれないように金魚のフンみたいにぴったりついて行くと、係の人に里菜が話しかける。
「与那星に帰ぇーるんです。あと何便ありますか」
係の人が腕時計を確認する。
「今さ15分に1便出たやさ。それが戻って来ちゃんら12時ちょうどのがあるよ。それが最終さ。乗り遅れんようにね」
ありがとう、とお礼を言って、里菜があたしを人混みから連れ出した。
「あと40分くらいだね。それまでここに居よう」
「うん」
コインロッカー前は比較的空いていて、あたしたちはそこで最終のフェリーの出港時間を待つことにした。
目の前を行き交う人の流れを目で追いかけていると、人波の向こう側に悠真を見付けた。
「あ、悠真」
ただでさえ背が高くて整った顔立ちで目立つのに、明るい髪の毛と真っ赤なピアスのせいで余計に目立っていた。
「里菜、悠真がいるよ」
ほら、と指さすと、里菜も「間に合ったみたいだね」と安心した様子で悠真を見ている。
あたしたちの視線に気付いたのか、悠真がこっちを見てきた。
「悠真」
と手を振ってみる。
でも、気まずそうな顔でふいっと顔を反らされてしまった。
「あっ! 無視したっ」
「まったく……わらばー(子供)かね」
と里菜が苦笑いする。
まだ、ふたりは気まずい関係が続いているのだ。
どうしてこういう類の待ち時間というのは異様に長く感じるんだろう。
あと何分だろう、と携帯で時間を確かめようと思い、スカートのポケットに手を突っ込んでハッとした。
「えっ……あれっ?」
ない。
「うん」
里菜とはぐれないように金魚のフンみたいにぴったりついて行くと、係の人に里菜が話しかける。
「与那星に帰ぇーるんです。あと何便ありますか」
係の人が腕時計を確認する。
「今さ15分に1便出たやさ。それが戻って来ちゃんら12時ちょうどのがあるよ。それが最終さ。乗り遅れんようにね」
ありがとう、とお礼を言って、里菜があたしを人混みから連れ出した。
「あと40分くらいだね。それまでここに居よう」
「うん」
コインロッカー前は比較的空いていて、あたしたちはそこで最終のフェリーの出港時間を待つことにした。
目の前を行き交う人の流れを目で追いかけていると、人波の向こう側に悠真を見付けた。
「あ、悠真」
ただでさえ背が高くて整った顔立ちで目立つのに、明るい髪の毛と真っ赤なピアスのせいで余計に目立っていた。
「里菜、悠真がいるよ」
ほら、と指さすと、里菜も「間に合ったみたいだね」と安心した様子で悠真を見ている。
あたしたちの視線に気付いたのか、悠真がこっちを見てきた。
「悠真」
と手を振ってみる。
でも、気まずそうな顔でふいっと顔を反らされてしまった。
「あっ! 無視したっ」
「まったく……わらばー(子供)かね」
と里菜が苦笑いする。
まだ、ふたりは気まずい関係が続いているのだ。
どうしてこういう類の待ち時間というのは異様に長く感じるんだろう。
あと何分だろう、と携帯で時間を確かめようと思い、スカートのポケットに手を突っ込んでハッとした。
「えっ……あれっ?」
ない。



