恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~



金城 チユ 様



金城様、お元気でいらっしゃるでしょうか。


昨年はお電話をありがとうございました。


おひさまの家の施設長の中川道子です。


こちらはまだ雪深く、春はまだまだ遠い毎日です。


雪花ちゃんが一生懸命働き貯めていた貯金をはたき、生まれて間もない子供を連れて沖縄旅行に行くと言い出し、たったひとりで帰って来た時、私は頭ごなしに叱ってしまいました。


なんてことをしたのか、と。


ですが、その理由を知り、そして、昨年の秋に金城様からお電話を戴き、本当に感謝しております。


その後、海斗くんは元気でしょうか。


今年の夏には1歳になりますね。


お電話を戴いた後すぐに雪花ちゃんへ報告に行きました。


素敵な名前をいただいたのねと、ありがたいと、涙を流しとても喜んでいました。


そして、先日のことです。


ご報告が遅くなり申し訳ございません。


2月5日の早朝でした。


大粒の牡丹雪が街を真っ白に染めた、良く晴れた、とても寒い朝でした。


享年、19。


雪花ちゃんは眠るように、静かに息を引き取りました。


まだ19という若さの彼女が患っていた病は、子宮癌でした。


出産を選ばず手術を受けていれば助かっていたのかもしれません。


でも、彼女は出産を選びました。


素直でまっすぐで明るくて、頑固。


誰よりも家族に憧れてやまなかった彼女らしい選択だったのだろうと、今になって思っています。


彼女が命がけで産んだ海斗くんを、なにとぞ宜しくお願い致します。


海斗くんをお守り下さい。


比嘉ご夫妻様にもよろしくお伝え願います。


皆様のご健康とお幸せを、祈っています。




      2月12日

      おひさまの家

      施設長 中川 道子