「おばあの言う通りだね。子供なのはあたしだよ。だって……あたしね」
あの日。
カッとなったの。
海斗が、葵ちゃんと一緒にいるところを見たら、カッとなって、むしゃくしゃして。
ばかみたい。
ただ単純に、嫌だった。
海斗が、他の女の子と一緒にいることが。
「あたし、海斗をひとり占めしたかったんだよ……きっと」
こんなふうに。
ぎゅうっと両手でストラップを握り締めたあたしに、一歩、二歩、とおばあが歩み寄って来て、
「迎えに行って来てくれねーらんかみ? 夕餉やソーミンチャンプルーさ」
ぽん、とあたしの背中を叩いた。
「海斗や浜さ」
「ありがとう。おばあ」
あたしはショルダーバッグをおばあに預けて、ストラップをショートパンツのポケットに押し込んで、駆け出した。
夜空に星が、瞬いていた。
与那星浜へ繋がっているさとうきび畑の道を抜けて、砂浜へ一直線に駆け下り、ハッと息を飲み立ち止まる。
一気に汗が噴き出した。
助骨を突き破って飛び出しそうなくらい、心臓がバクンバクン暴れ回った。
夜の浜へ駆け下りたあたしを待っていたのは、世にも美しく風光明媚な、神秘的な光景だった。
真っ黒な巨大キャンバスにヴィヴィットカラーのアクリル絵の具で描かれたようなその美しさに心を奪われてしまった。
夜空にひしめき合う、満天の星。
CGじゃないかと疑ってしまうほど鮮やかな白銀色に輝く、満月。
他に無駄な物は一切存在しない、極限の世界。
黒々と照りながら凪ぐ水面は夜と一体化して、どこまでも果てなく広がっている。
……どこ?
あの日。
カッとなったの。
海斗が、葵ちゃんと一緒にいるところを見たら、カッとなって、むしゃくしゃして。
ばかみたい。
ただ単純に、嫌だった。
海斗が、他の女の子と一緒にいることが。
「あたし、海斗をひとり占めしたかったんだよ……きっと」
こんなふうに。
ぎゅうっと両手でストラップを握り締めたあたしに、一歩、二歩、とおばあが歩み寄って来て、
「迎えに行って来てくれねーらんかみ? 夕餉やソーミンチャンプルーさ」
ぽん、とあたしの背中を叩いた。
「海斗や浜さ」
「ありがとう。おばあ」
あたしはショルダーバッグをおばあに預けて、ストラップをショートパンツのポケットに押し込んで、駆け出した。
夜空に星が、瞬いていた。
与那星浜へ繋がっているさとうきび畑の道を抜けて、砂浜へ一直線に駆け下り、ハッと息を飲み立ち止まる。
一気に汗が噴き出した。
助骨を突き破って飛び出しそうなくらい、心臓がバクンバクン暴れ回った。
夜の浜へ駆け下りたあたしを待っていたのは、世にも美しく風光明媚な、神秘的な光景だった。
真っ黒な巨大キャンバスにヴィヴィットカラーのアクリル絵の具で描かれたようなその美しさに心を奪われてしまった。
夜空にひしめき合う、満天の星。
CGじゃないかと疑ってしまうほど鮮やかな白銀色に輝く、満月。
他に無駄な物は一切存在しない、極限の世界。
黒々と照りながら凪ぐ水面は夜と一体化して、どこまでも果てなく広がっている。
……どこ?



