恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~

おしつけがましく強く発光するわけではなく。


さりげなく、そっと、寄り添うような。


心の中のドロドロした部分にそっと触れて、静かに浄化してくれるような。


例えば、嵐が過ぎ去ったあとに広がる青空のような。


けっして、温かみがあるわけじゃないけど。


海斗の優しさは暖色系の温かみがあるわけじゃない。


寒色系の、爽やかな、浄化作用がある、独特なものだ。


「このちゅら玉、海斗みたいに透明に光るね」


それはまるで、海斗が醸し出すあの独特な優しさを表しているようで、吸い込まれてしまいそうになる。


「透明な、水色……」


声を詰まらせながら言ったあたしを、おばあは呆れたように鼻で笑った。


お前たちは本当に似ている、たぶん、そんなことを言いながら。


「そんなに怖いかみ? 誰かを、何かを、失うことが」


「……え?」


「人を信じることが怖いか、陽妃」


夜の中でもはっきり分かる。


おばあの目つきが鋭くなったことが。


「信じて、裏切られた時に傷つくからか?」


「……」


反応できないあたしを見つめるおばあの目がギラリと光った。


「大切なもんを失うことを怖りゆんな、陽妃」


痛い部分を思いっきり突かれてしまった。


内心は激しく動揺していたけれど、認めたくなくて必死の抵抗のつもりだった。


あたしも負けじとおばあを見つめ返す。


「なんでか。やーたちはまだ若いのにさ。なんでそんなに怖りゆんかね」


でも、おばあは余裕だ。


先に目を反らしたのは、結局、あたしだった。


「失うことを怖がるな、陽妃」


そんなこと言われても、とふて腐った態度をとるあたしに、おばあが言った。