男に苦労しなそうなって、どんなタイプなの。


大我はそんなふうにあたしを見ていたの?


ずっと?


大我が、初めての彼氏なのに。


全部、初めての人なのに。


「でも、ひかりは違うっていうか。危なっかしくて、誰かが側に居てやんないとさ。ほっとけないんだよね」


確かにそうなのかもしれないけど。


ひかりはあたしとは外見も性格もまるで正反対で。


小柄で可愛らしくて、まさに女の子の鏡って感じで。


かよわい女子代表って感じで。


ふわふわしていて。


だけど、大我がその“誰か”にならなきゃいけないの?


あたしを捨ててでも、ひかりの側に居ないといけないの?


ひかりは、あたしの親友なのに。


ひかりのこと、信じてたのに。


「いつから?」


「え?」


首を傾げた大我に、必死に冷静を装って聞いた。


「いつから、ひかりのこと好きなの?」


「あ……半年前くらいから」


半年前。


そんな前から、大我の心はあたしから離れてたのか。


ひかりのとこにあったのか。


なんかもう、溜息が出るとか出ないとか、そういう次元の問題じゃなかった。


あたしを裏切った大我もひかりも酷いけど。


そんな酷いふたりの微妙な変化に気付かなかったあたしが、いちばん酷い。


情けない。


ばかばかしいったらない。


「これから……どうするの、ひかりと」


ばかばかしくてもう、涙も出ないよ。


「付き合うよ、ひかりと。守ってやりたいと思ってるから」


何が“守ってやりたい”よ。


まだ高校生のくせに。