恋に落ちた時の幸福感も、幸せに満たされた満腹感から一気に突き落とされる時の激痛も。
やっぱり分かるから。
他人事とは思えなくて。
「わんやぁ、いちばん信頼していた亮介をいちばんに疑ってしまったんやっさ。藍子じゃなくて、亮介に憎しみを抱いてしまったんやさ」
その時の悠真の体に毒々しく流れた感情が、完璧にではないけれど、妙に理解できて。
なんとなく、分かって。
すごく、分かって。
「話も聞かねぇぃで、一方的に決めつけてしまったんやっさー」
あたしも、同じだ。
大我の話しか聞いてない。
あんなに仲良しだったひかりに確かめもせずに、へらへら笑って無理して笑って、何も知らないふりをして。
だって、怖くて。
真実から目を反らしたくて、必死で。
そのまま、逃げて来ちゃったようなもので。
「亮介の話を聞かなきゃいけねーらんかったのにさぁ」
胸を鷲掴みされたように、ぎちぎち痛かった。
「陽妃」
見上げた与那星島の空の袂は淡い紫色に染まり、ぽつぽつと星が幾つか輝き始めていた。
「陽妃よー」
ターミナルを出てぼんやり突っ立っていたあたしの肩を悠真が叩く。
「……え?」
「え、じゃないば。バス来ぃちょんよ。あれ最終だしよ」
悠真の指さす先に、くたびれたバスが停まっている。
「あ、うん」
「わんやぁカニウマ(自転車)で来ちゃーからさ。ここで」
と自転車のサドルをポンポン叩きながら、悠真が笑う。
「気ぃー付けて帰ぇれーよ、陽妃」
「ありがと」
ふらふらの足取りで集落までの最終バスに乗り込もうとしていたあたしに、
「学校のことで分からねーらんことがあったら、いつでもメールくれたらいいからさ。わんやしが里菜でもいいからさ」
じゃあ新学期に、と悠真が笑顔で右手を上げる。
やっぱり分かるから。
他人事とは思えなくて。
「わんやぁ、いちばん信頼していた亮介をいちばんに疑ってしまったんやっさ。藍子じゃなくて、亮介に憎しみを抱いてしまったんやさ」
その時の悠真の体に毒々しく流れた感情が、完璧にではないけれど、妙に理解できて。
なんとなく、分かって。
すごく、分かって。
「話も聞かねぇぃで、一方的に決めつけてしまったんやっさー」
あたしも、同じだ。
大我の話しか聞いてない。
あんなに仲良しだったひかりに確かめもせずに、へらへら笑って無理して笑って、何も知らないふりをして。
だって、怖くて。
真実から目を反らしたくて、必死で。
そのまま、逃げて来ちゃったようなもので。
「亮介の話を聞かなきゃいけねーらんかったのにさぁ」
胸を鷲掴みされたように、ぎちぎち痛かった。
「陽妃」
見上げた与那星島の空の袂は淡い紫色に染まり、ぽつぽつと星が幾つか輝き始めていた。
「陽妃よー」
ターミナルを出てぼんやり突っ立っていたあたしの肩を悠真が叩く。
「……え?」
「え、じゃないば。バス来ぃちょんよ。あれ最終だしよ」
悠真の指さす先に、くたびれたバスが停まっている。
「あ、うん」
「わんやぁカニウマ(自転車)で来ちゃーからさ。ここで」
と自転車のサドルをポンポン叩きながら、悠真が笑う。
「気ぃー付けて帰ぇれーよ、陽妃」
「ありがと」
ふらふらの足取りで集落までの最終バスに乗り込もうとしていたあたしに、
「学校のことで分からねーらんことがあったら、いつでもメールくれたらいいからさ。わんやしが里菜でもいいからさ」
じゃあ新学期に、と悠真が笑顔で右手を上げる。



