一日、サラの背中を見て過ごした。 こんなに近くにいるのに、サラは、一度も俺を振り返らなかった。 なぜ、人間は同じ服を着、集団行動を好み、同じ空間で皆同じことを学ぶのか。 俺には理解できなかった。 しかし――。 今、このようにサラの背中を見て、一日を過ごすことができ 同じ空間で、同じ景色を見ながら、同じことを学べる これがどれだけ幸せなことなのか、今なら、痛いほどよくわかる。 この時間が、かけがえのないものだということも。