人間界、初日。 何の収穫もないまま、一日を終えてしまった。 「ルカ様。 お帰りなさいませ」 校門の前に止まっていたシキの車。 俺の姿を見つけると、すぐに後ろのドアを開け、シキが深々と頭を下げた。 今朝と同様、下校中の連中が集まってきた。 あっという間に出来た人だかり。 その中に 「……サラ様」 やはり、困惑した表情のサラが立っていた。 シキはサラの姿を見つけると、グスリと鼻をすすった。 「サラ様ぁぁぁぁ……」 きっと誰にも聞こえていないと思うが、シキは涙声でサラの名を口にした。