課長の背中を追って、着いた場所。 そこは――… 「うわ――」 思わず、うっとりとため息がこぼれた。 目の前一帯、真っ赤なバラで埋め尽くされている。 森の中の、少し開けた場所。 こんなところに、こんなキレイなバラが咲いていたなんて。 知らなかった…… 「庭師につくらせたんだ」 私の隣に立って、課長が言った。 「キレイだろ?」 「……はい、とっても」 「俺が、好きな花。 魔界では、花は枯れてしまうからな。ここでなければ育てられない」 課長の声は、とても切なげだった。