―――――――――― ――――――― ――――― 家、家、家、ビル、家。 バスの中で流れてゆく景色を、ただじーっと見ていた。 「海里?」 「え?何?」 「……何かあったのか?」 翔太が僕の顔を覗き込む。 「何でもねーよ」 「あ、分かった。そろそろ大会近いからピリピリしてんだろ」 そう言い、ビシッと両手で僕を指差した。 …………大会? あぁ、そっか。 陸部だって言ってたっけ。 「最近お前スランプとか言ってたもんなぁ」