「どーしよう。俺、また放課後呼び出されたんだけど。アーニキ、付き合ってくれね?」

「バーカ、すっぽかしちまえよ。真面目不良くん。テメェ、何もしちゃ無いんだし」

「でも怒られるの俺じゃね?」

「ンなの、シカトで貫き通しちまえ。チキンだな、テメェは」


チキンだと連呼して笑声を上げるヨウに、俺はほっといてくれと脹れる。

だけど次第次第につられて笑声を漏らし、「真面目くんの性分なんだろうな」言葉を返した。
 

俺はあの頃のように“白紙”にしたいと思わない・できない・できっこない。ヨウ達不良との出会いをなかったことにすることはできないんだ。



だって、こいつ等は俺の大切な友達で、かけがえのない俺の居場所なんだから。



「今日のこと、ワタル達に話せば爆笑されるだろうな」

「あ、想像できる。うわぁ、あんま話したくないかも」



2限目が始まるチャイムが鳴り響く中、俺達は笑声を漏らして教室を目指した。

去年とは違う、新しくて不慣れで戸惑いいっぱいの日々はまだ始まったばかりだ。



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