青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―



シュンッと川瀬が肩を落とす。
倣って谷も肩を落とし、詫びを口にしていた。

自分達を助けたせいでヨウの痛いミドルキックアンドストレートパンチを食らう羽目になってしまった。申し訳も立たない。

そんな態度を取って猛省している。


喧嘩の実力は俺とどっこいどっこいな感じがするもんな、この二人。足は速いけど。
 

足手纏いになった自覚があるのか二人の表情が曇る。

でも矢島は涼しい顔で弟分をそれぞれ流し目、フッと片頬を崩して両隣に座っている弟分達の頭に各々手を置いたのはその直後。

俺とヨウの存在を完全にシャットダウンして、微笑ましい兄弟分の時間が始まった。
 

  
「お前等はあんのために働いている。それをあんは知っている。だったら、あんもお前等に返さないとこっちの顔が立たない。そうだろ?
兄分のために奔走している弟分の苦労や努力を一瞥もせず、手前だけの勝負に拘る。叱るべき姿だ。そんな兄分になんて、絶対になりたくない。

お前等がいてこそ、あんは兄分でいられるのだから」



―――…弟分がいてこそ、兄分でいられる、か。
 

俺は恍惚に矢島を見つめた。

こいつ、周囲には傲慢で横暴な態度バッカ取るけど、身内にはすんごく優しいんだな。なんか日賀野みたいな奴だ。ん

でもって、ずっしりと言葉に重みがあるよな。

俺も一応、兄分って立場があるからこそ、矢島の言葉は胸を打つ。
 

兄分のために奔走している弟分の苦労や努力を一瞥もせず…、俺に当て嵌まるかも。


だって向こうは俺の背中を一途に追ってきてるし、水面下じゃ結構努力してるし、でも俺は舎兄弟どうしようか…、で思考を止めて、二の足ばかり踏んでるし。

いや、あいつが舎弟のことを考えてるように、俺も片隅では意識してたりするんだ。するんだけど、器じゃない気がして。
 

そういえばキヨタ、さっき会った時、様子がちょっとおかしかったよな。

後で話してみようかな。
歩み寄ってみないとわっかんないこと、絶対あるよな。