青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―



ヨウの怒声が気持ち良く青空に舞い上がる。
 

片耳に人差し指を突っ込んでうざったそうに顔を顰めている矢島は、「喧しい奴だな」もっと静かに物が言えないのかと腕組み。ヤーレヤレと呆れてる始末。

倣って弟分たちも、

「ヤーレヤレ」
「短気な人ですね」

とわざとらしく溜息。

何処までも傲慢且つ自己チューな態度にヨウの堪忍袋の緒は今にも切れそうだった。

携帯のバイブレーターのように身を震わせて、

「もっぺん叩きのめそうかっ」

唸り声を上げている。
 

ほ、ほんと、こいつ等、ヨウをキレされる天才だよな。

こんな風にヨウをキレさせる奴は、日賀野大和以外に知らないぞ。


「ま、まあまあ」


俺はヨウを宥めに入るけど、余所でやれるもんならやってみろとばかりに矢島がツーンとそっぽを向いたもんだから俺の努力は皆無。

ヨウは矢島の胸倉を鷲掴みにして、「反省してねぇだろ」ぐわんぐわんと相手を揺すった。


一方、相手はというと揺すられながらも傲慢な態度を貫き通す。



「反省する意味が分からん。あん達はなあんも悪くない。謝るのはそっちだ、このブサイク」



うぇっと舌を出す矢島に、「なっ…」ヨウは見事に硬直の絶句。
 

あー…、多分、ヨウの奴、初めて言われたんだろうな。

自分には無縁の単語だって思ってたからこそ(くそう…それもそれで癪だけど!)、今の単語は効果バツグンというか。免疫力がないというか。うん、イケメンくんには衝撃的な単語だろうな。
 

カミナリに打たれたような表情を浮かべるヨウは口元をひくつかせて、もっぺん言ってみやがれと取り敢えず負けん気強く発言。

此処でヨウの実力と怖さを知っている者であれば、二度と口にしないであろうその単語を矢島は糸も容易く口にした。


「何度だって言ってやる。ブサイク不良」


あっかんべーと舌を出す矢島、……もはやお前はもう勇者だよ。スゲーよ。アッパレだよ。

お前の図太い肝、俺にも少し分けておくれよ。

ついでにヨウの怒り、誰が宥めると思ってるんだよ。ゲンナリする俺に対し、ヨウは地団太を踏んで矢島にガンを飛ばした。