……好きだねぇ、あんた等も。


電話越しに喧嘩するヨウと日賀野に俺は両手を挙げて仲間を見やった。

同じポーズをする仲間もお手上げらしい。


てか、二人とも関わったら一回は喧嘩しないと気が済まないんじゃないか?

だったらあれはあいつ等なりの挨拶かもな。
誰よりも仲が悪くて、仲が良いじゃないかよ。ヨウと日賀野。
 

ついでにその携帯は俺の。

俺から電話を掛けているから、電話代は俺に掛かっているんだけど。

日賀野と俺の携帯は他会社だから料金が発生しているんだけど。


一定の時間をオーバーしたらとんでもない請求書が来ることも…、ま、まあ大丈夫だろ。

今月はちょっち電話を多く使ったけど、多分大丈夫な筈!


別のことを考えていると、「はあ?」ヨウの口から頓狂な声が出た。視線を戻すと、一変して驚愕の色に変わるヨウ。


「マジで言ってるのか?」


相手に聞き返している。


え、なに? 一体なにが起きて…。


俺は近くにいたワタルさんにどうしたのかと状況を尋ねる。

聞きそびれてしまった旨を伝えると、ワタルさんは意味深に唸ってこう述べた。



「里見ちん達の動き次第だけど、ヤマトちゃーん。もしもの時は荒川チームと日賀野チームのチームメートをトレードしてみようって……、ヨウちゃんに提案してるっぽい。あくまで最終手段っぽいけど」




―――…俺を含むその場にいたチームメートが絶句したのは言うまでもなかった。