青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―



つまり、なんだ、あー…簡略すると不良なのにヨウのせいで行動を起こしても名前が通り難くく、なっかなか名前が地元に浸透しない上に女にもフラれてムカついた。

だからヨウを誘い出して焼き入れようと…?

んでもってヨウの築き上げてきたチームや地位や名誉を奪っちゃおうぜ、思ったカンジ?


言っちゃなんだけどさ…、完全にそれ、逆恨みじゃないかよ!


ヨウが悪いかって聞かれば、全力即答で否定するぞ!


うをおおおおおいっ、そんな理由で俺っ、悪役買ってたのかよぉおおお!
乙過ぎるだろ俺ぇえええええ!

お前等っ、全員俺に謝れっ! 土下座して謝れっ、お前等のせいで昨日、悪い噂が立っちまったんだぞ!

前橋にも呼び出されたんだぞっ。
反省文とか無駄な時間を浪費しちまったんだぞー!


「俺って一体」どーんと落ち込む俺に対し、ヨウは呆れて物も言えないのか、遠目を作って向こうを見つめているばかり。

ボソリと教室に帰ろうかな、なんて独り言が聞こえた。
お馬鹿、お前が今此処で戻ったらもっと面倒な事になっちまうぞ。
 

余所で矢島はフンと鼻を鳴らして腕を組んだ。
 

直後、あくどい顔で綻び、谷と川瀬に流し目。

状況を把握したヨウは剣幕な表情で、「来るぞ!」俺に合図した。

う、うそーんこんなところでお喧嘩? 体育館裏でお喧嘩?

だって体育館では1年のオリエンテーションがあってるのに。
ばれちまったら大問題っ、うっわっ来た!
 

俺は猪突猛進で走って来る谷と川瀬から逃れるために、地を蹴って駆け出した。


だけど二人の足の速さは尋常じゃない。


陸上でもやってただろって足の速さだ。

あっという間に追いつかれちまう俺だったけど、川瀬は脇をすり抜けてどっかに行っちまう。

一体何処に? その疑問はすぐに解消された。
川瀬は矢島のために物を取りに行っていたみたいだ。その手には長箒?
 

「アンちゃーん!」


川瀬がブンッと長箒を矢島に向かって投げる。

見事にキャッチした矢島は、扇形に開いた刷毛の根本を握って柄頭をヨウに向けた。そのスタイルはまるで剣道のようだけど…、まさか、あいつ。