「近くでっ、見れば見るほど…、フツーではないか。なんでこいつがイケメンと呼ばれているのか意味が分からん。目立っている意味も分からん。すべてに意味が分からん。っ、腹立たしい!
やはり、あんの方が勝っていると思うのだが!」
……は?
多分、俺とヨウは同じ表情をしているに違いない。
だって、え? なに、この人…、見当違いなことを言ってるんだ?
此処でイケメンという単語が出てくる意味が分からない。
全然意味が分からない。
アンタのお言葉を借りるなら、すべてに意味が分からん、なんだけど。
「ほんとだよね!」
「もっと言っちゃって下さい!」
谷と川瀬が同情アンド声援を送る中、矢島はヨウにガンを飛ばした。
「荒川庸一、お前の存在をすべて否定してやる。
お前が学校一の問題児だということも、イケメン不良だということも、地元で目立つ存在だということもなにもかも、否定してやる。お前より自分の方が勝っている。あまりデカイ顔をするな」
「そうだ、アンちゃんより目立つなんて生意気だ!」
「イケてるのはあんちゃんなんだぞ!」
………。
「お前のせいであんの存在が影になりがちだった去年。目立つ喧嘩をしてもお前の名に潰され、学校でも名が通りにくく…。
見るからに地味な舎弟にすら名前を上塗りされた挙句…好いていた女に『荒川くんの方が』…っ、クッ…、この無念を何処に晴らせばっ。クソッ、女なんてっ、女なんて」
「あ、あんちゃん泣くな! 俺達はあんちゃんが一番だと思っているから!」
「おうよ! アンちゃんは地元で一番イケたカックイイ不良だ! 荒川なんて目じゃないんだ! そんじょそこらの女は見る目がなかったんだよ!」
………。
「荒川庸一。お前の存在のせいで、あんの人生が狂い始めた。責任を取ってもらおう。
お前を伸して、お前のチームとやらも、そこの舎弟も、地位も名誉も何もかもあんが根こそぎ奪ってやる」
「聞いたか、荒川! あんちゃんはやる気なんだぞ!」
「今の内に遺言でも考えておけよ!」



