「田山圭太にされそうになった“パシ”とは仮の姿。パシのこと俺こそ、田山圭太なのです!
ちゃーんとお顔、覚えてから俺のお名前、騙ってくんなまし」
うっふんとぶりっ子口調で、ノリよく俺は不良野郎三人にウィンク。
どーだ、コノヤロウ!
噂どおりの地味くんだろ!
思った以上の地味くんだなって顔してるけど、まったくもってそのとおりだよバカヤロー!
内心で盛大に悪態をつきながら、俺は清々しく自己紹介をしてやった。
うっわぁ、マジやってやったぜって気分。
おれの自己紹介タイムを目の当たりにしたヨウは、一頻り声を出して大爆笑。
んでもって、「酸欠になるっ」手の甲で涙を拭いながらどうにか体を起こすと、俺の肩に肘を置いた。
まーだ笑ってやがる。
いっつまで笑ってくれるんだい、俺の兄貴は。
流し目で見ている俺を余所に、ヨウは爆笑から、したり顔に一変。
俺を親指で差してにやりにやり。
「まさかケイを知らずにパシリにするなんてな。とんだマヌケだな、てめぇ等。俺の舎弟を利用したいなら、顔くらい知っとくんだな」
まったくもってそのとおりだよ。ワルイコトして欲しくないけど、するなら顔くらい覚えとけって。
向こうは目が点、次いで呆けた顔で谷が俺を指差す。
「…ってことは、その地味っこいパシがっ、…まさか舎弟? 荒川の」
「あー、さっきからそう言ってるんですけど。地元では一応舎弟で通ってます」
谷はまだ俺をガン見。
「こーんなに地味なのかよ…。嘘だろ」
「これいって特徴はないですが、真実です」
「想像以上のダサ男…」
「それは失礼に値する発言だと思います! 身形? 身形を言ってるんですか?! 取り敢えず、平均並みの身形はしてますから俺!」
「というか、なんでそれを先に言わないんだよ! 騙したな!」
はぁああ?!
なんで俺が怒られるんだよ! 世間様じゃ逆切れっつーんだぞそれ! 意味不明っ、てか、好き勝手してくれたのはあんた等だろーよ! 俺は寧ろキレる立場だぞおい!



