話は変わり、不在だった期間の新たなルールを俺は教えてもらった。


まずブログの件。


里見上総等対策として打ち出されたブログが連絡簿代わりだということ。

里見達関連はこれに書き込むということ。

IDとパスワードは頭に叩き込んで覚えるということ等など、事細かにヨウから聞いた。


ブログを覗き込むと既に書き込みが数件アップされていた。
 

メアド変更もしておいた。

俺のメアドは里見等に流れちまっているからな。

電話番号はどうしょうもないけど、メアドならどうにかなるし。
 

仇討ち戦に関わっていた『B.B.B』についても教えてもらった。

俺をリンチにした不良集団は知名度欲しさに集い、三グループが合併した。

それが『B.B.B』っていうらしい。


俺を討ち取ることで知名度を上げようなんて、いやはや俺も随分悪い意味で名が挙がったもんだと溜息やら落胆やら。


その『B.B.B』ってチームは里見達と手を組んでいたらしいんだけど、ヨウ自らの手によって解体されたと俺は聞いている。


浅倉さん達が手を貸したことは勿論、健太が日賀野に頼んで協力してもらったのも耳にしているよ。
 

そりゃあ凄かったらしい(シズ談)。


仲間を甚振られたヨウの怒りは向こうの残忍性に劣らない、非情な感情を引き出してしまったらしく、トップ三人は入院を余儀なくされている。
 

シズからこっそり聞いたよ。

ヨウが果物ナイフを持った相手からそれを奪い、腕に刺したってことやその傷口に攻撃したことを。


普段のヨウって幾ら相手が刃物を持っていようとも、拳で返す男なんだ。

ポリシーに基づいて刃物は基本使わないんだけど、だからこそ話を聞いた俺は驚きかえったんだけど、今回の喧嘩は一味も二味も違ったとシズから教えてもらった。
 

俺のためにそこまでしなくても良かったのに……、申し訳なさが込み上げてくるけど、シズはヨウに謝ることも咎めることもしないで欲しいと頼んできた。


「あいつは誰よりも…、ケイの暴行に、ショックを受けていたんだ。
喧嘩を売った輩の…、非道な手口を聞かされてもっとショックを受けてな。

だから、分かってやって欲しい。自分達も…、かなりブチギレたし」


「シズ…」


「だが…、ヨウは思ったほど…、暴走はしなかった。きっと直前でモトが…、あいつと対等に…、物申したから。それがなかったら、本当に…危なかったと思う」