母さんから今日、またヨウ達が見舞いに来るかもしれないと言葉を掛けられる。
生返事する俺は数口食べたお粥をテーブルに戻してベッドに沈んだ。
もういいのかと母さんに文句を言われたけど、俺はそれに返事する余裕はない。
ヨウ達が来る、か。
てことは今は皆、学校か?
俺はまたひとつ瞬きをして寝返りを打つ。
どうしてだろう、今は誰にも会いたくない。
戻らなきゃいけないって気持ちもあるのに、なんか誰にも会いたくないや。
なんでこんな気持ちになるのか、俺にも分からない。
気持ちが引き篭もっちまっているよ。
どうした調子ノリ。
皆が見舞いに来てくれているっていうのに。
ああくそっ、俺のうじ虫!
そんな奴はな、亀布団にでもなって不貞寝しとけや! おうしてやるよバーカ!
一人漫才を心中でかまして布団をかぶる。
きっとあれだな。
意地っ張り虫の俺が弱い姿を皆に曝け出したくないって嘆いているんだ。
気遣われたくないってのもあるのかもしれない。
本調子じゃない俺を、さ。
結局そうこうして不貞寝したもんだから、気付けば爆睡。
母さんが起こしにきたんだけど、これっぽちも起きれなくて。
いや起きようとしなくってヨウ達を帰しちまった。
申し訳ないこと極まりない。
だけど今は気持ち的に、な。
どうしてこんな気持ちになるんだろう。
俺はベッドの中でいつまでも気鬱を抱いていた。
その夜。
ヨウ達の気持ちを軽んじた罰が当たったのか、俺は思い出したくない真新しい記憶を夢で呼び起こしてしまい、一晩中悪夢に魘されることとなった。



