(真の狙いは衝突する両者チームを狩ることだったりしてな。“不良狩り”の名の下に…、だとしたらオッソロシイもんだぜ)


この推理が正しければ、同じ手口でケンを狙った不良チームと自分達チームも狩られる可能性があったということだ。
 

完全に舐められているな。

一笑するヤマトは腰を上げると虚勢ばかり振り撒いていた哀れな不良を見下ろし、


「俺なら」


迷わずプレインボーイを選ぶぜ、その自尊心を叩き潰しに掛かる。


先ほども言ったように仲間として狙おうとは思わない。


結局手腕があるどうこうではないのだ、チームに必要な力というものは。そう、手腕だけでは成り立たない。
 


「それにテメェ等といてもつまらなさそうだしな。俺は退屈しねぇ奴を求めている。ケンもそのひとり。あいつは一緒にいて愉快だ。

―――…だから手ぇ出した不良達には礼をしねぇとな」
 

どーせ体力が有り余っているんだしな。


雑魚だけでは物足りない。
ヤマトは相手を見下し冷笑してみせる。


しかし眼は些少も笑っていなかった。


彼もまた仲間を傷付けられ、憤りを通り越している不良の一人だった。




「ケンにストーキングした変態チームの居場所、知っているんだろ? 吐け。これ以上、怪我したくなかったらな」