やや間があってヨウは俺の肩に肘を置いた。
上体を戻す俺は目で笑う。
「悪い癖が出たらお前が教えてくれる。そうだろ?」
心配の念を瞳に宿していたヨウは、満足気に口角を緩めた。
それが舎兄の役目だろ、なんて嬉しいことを言ってくれる兄貴に俺は一笑。
未だ光っているランプに目を向け、最後にアクエリを選んでボタンをぽちっとな。ガタンゴトン、取り口に物音が響いた。
アクエリを取り出して、俺は三本のペットボトルを腕に抱える。
んでもって、ゆっくりとした歩調でヨウと歩き始めた。
「昨日、他にもなんかあったんだろ?」
真っ直ぐなヨウの問い掛けに、「ん」小さく頷いて一呼吸。俺は胸につっかえていた気持ちをヨウに吐き出すことにした。
「前橋曰く、半端者らしいんだ。ほら、このナリで不良とつるんでるだろ?
別に不良になれって言われたわけじゃないけど、半端な儘じゃ荒川達とつるむのは辛い、なーんて言われてさ。俺、ヨウ達と友達でいたいのに、なんかそれさえ否定された気分で。半端じゃ駄目なのかって思ってさ」
口に出して気付く。
俺、想像以上に不安だったんだって。
半端者な俺が不良の傍にいてもいいのかって…、不安だったんだ。
不良とつるんで環境が周囲の目がちょい冷ややかになったけど、不良達にまで半端だからって理由で距離を置かれたくない。
片隅で多大な不安を抱いていたんだ。
地味じゃなくなった、でも不良でもない。
どっちつかずの半端な者になっちまったから…、不安を抱えたんだ。
前橋に半端者って言われて、第二の俺が怖じを抱いたんだ。居場所を揉み消された、そんな気がして。
「言わせたい奴等には言わせておけばいいんだよ」
凛と澄んだ声は静寂な空気を裂いた。
どんっと衝撃を受けて俺は前のりになるけど、構わずヨウは俺の首に腕を絡めて「前橋が俺等のナニを知ってるんだよ」質問を投げ掛けてきた。
「テメェは生真面目くんだから、あいつの言葉を真に受けちまったんだよ。ちったぁ不真面目くんになれって、地味不良くん」
「ヨウ…」
「今更舎兄弟を解消されちまったら、ショックを受ける。それって俺だけか?」



