てかてかてかっ、こういう暴力的態度は友愛を生みませんよっ!

もっとフレンドリーにしてくれたってっ…、嗚呼、俺、不良に絡まれてるんだな。

普段から不良と絡んでいる筈なのに、こういった不良のタイプはいないから…っ、嗚呼もうこの不良さん嫌い。

俺、正真正銘のパシリにされてるし!


「ぐるじいでず!」


取り敢えず手を放してくれるよう頼めば、仕方が無さそうに矢島が解放してくれる。
 

あー苦しかったっ…、本気で首を締めてくるんだもん。
 

ゼェゼェ息をついていると、

「こいつ本当に使えるんですか?」

なんかめっちゃ頼りないですよ、と矢島には敬語で喋る短髪青髪不良、川瀬 千草(かわせ ちぐさ)が俺の脛を軽く小突いてきた。


更に矢島にもタメ口な長髪青髪不良、谷 渚(たに なぎさ)が「ナリは完璧なんだけどなぁ」背中を思い切り叩いてくる(痛いっつーの!)。
 

パーフェクトもなにも、俺がその田山圭太…なんだけど。


使えるかどうか問われたら、うーん、多分使えないだろうなぁ。

だって協力するつもりはないし。
   

「使えないと困る。なにせ、パシはあん達の話を聞いたのだからな」


パシ…、それって俺のことか?
どーでもいいけどそれ、パシリの省略形だろ。


一応さ…、名前…教えたんだけど。


さすがにメンドクサそうになりそうだったから田山圭太です、とは名乗れなかったけど、名前を聞かれた時、親切心から「ケイ」って名乗ったのに。パシって。パシってアータ。
  

……まいっか、少しだけの我慢だ。

成り行きだけどパシリに任命されて、(偽)田山圭太に近付けたんだ。

どういう意図で俺の名前を悪用したのか探ってやる。


ああ探ってやるともっ、俺の名前でなあにをしたかったんだ! え、不良さん方よ!


煮え滾る気持ちを噛み締めつつ、俺は「何をすればいいんですか?」改めて矢島に質問。