ポカーンとする俺に、
「さっすがあんちゃん!」
「名案です!」
二人が絶賛。
灰色髪不良は早速こいつを連れて行くぞ、と俺の腕を引いて歩き出した。
半強制的に連行されながら、俺は別の意味でパニックに陥る。
もしかして俺、顔は知られていない?
名前は知られていても顔は存じ上げられていない?
そんだけ地味ってこと? 俺の顔。
憶え難いってこと?
それはそれでショックなような…、うっわぁ、別の意味でどうしようこの状況。
俺、(本物)田山圭太は、(偽)田山圭太達に連行されている上に、(偽)田山圭太達の手によって、田山圭太に仕立て上げられようとしています。
ははっ…、(本物)田山圭太、ヒッジョーに変なピンチを迎えてしまいました。