―――…強い日差しが瞼の裏を焼いている。
直射日光が顔に当たっているんだと気付いた俺は、重い瞼を持ち上げた。
まず視界に映ったのは投げ出された俺の右手。
日差しに照らし出されている右手は、力なくに日光浴している。
次に視界に移ったのは灰色の床。
ざらついた冷たい床の正体はコンクリートだと気付く。
瞬きを繰り返し、「此処は」上体を起こそうと体に力を入れる。
途端に走る体の痛み。左腕は何かに引き寄せられているのか、俺の意思では引くことができない。
うめき声を上げて俺は自分の左手に視線を流した。
ギョッと目を削いでしまう。
俺の左手首に金属製の輪がくっついている。
「手錠?」
ドラマで見かける代物に絶句、片輪は俺の左腕を拘束し、片輪は鉄柱を拘束している。
「な、なんだよこれ」
動揺した俺は咄嗟に手錠を開けようと右手で輪を掴み、力の限り引いた。
けど開くわけがない。
だったら根元の鎖を切ってみようと左手を引き、鎖を捻ってみる。
錆びれてるからなんとかなりそう、なん、だけど、駄目だ…、ビクともしない。
引き千切ろうと鎖を揺すっても無効。
ジャラジャラと音が鳴るだけだ。
あ、胸ポケットに生徒手帳があるからそれで…、いや無理だろ。
んじゃ挟んでいるボールペンは…、うん、鍵穴に入らない。どうする。どうすれば!
今しばらく鎖を引き千切ろうしていた俺なんだけど、こめかみに痛みが走り、つい手を止めてしまう。
そこに手を当てるとぬめっとした感触。
右の手を広げると赤い液体が付着していた。
「血…」
なんで血…、目を白黒させていた俺はようやく自分の異変に気付いて息を呑む。
「気が付いたかい? 荒川の舎弟くん。随分寝ていたね」
背筋に悪寒が走る。
ぎこちなく視線を流せば、山積みになっているダンボールに腰掛けて携帯を弄っている里見の姿。
間宮は欠伸を噛み締めながら、ウォークマンを聴いている。
イヤホーンから音漏れしている。けど俺の聴いたことないメロディ、どうやら洋楽らしい。英語ばかりがイヤホーンから零れている。



