“チームがお前を見捨てても、俺はお前を見捨てない。何かあれば絶対に助けに行く。約束する”


圭太はちゃんと約束を守ってくれた。

おれ、あのメールと約束で救われた。救われたんだ。


思えばいつもそうだ。

絶交したっていうのに圭太はおれを友達だって言い続けるし、拒絶したっていざとなれば助けようとするし、こうして今もチームの垣根を越えて飛んできてくれる。

馬鹿みたい直球な奴だよ。

荒川さんに感化されているんじゃないか、そう思うほどお前って気持ちに真っ直ぐだ。羨ましいくらいに。


おれ、お前ほど真っ直ぐにはなれない。

チームにでさえ自分の素を隠しちまうし、自分に嘘だってつくし、傷付くのが怖いから傷付けることだっていっぱいしてきた。

これからもしていくんだと思う。

変わろうたって、簡単には変われやしない。

自分のことだから分かる。


ヤマトさんにさっき叱られちまった。

チームのナニを見てきたんだって。


確かにチームは好きだ。
でも自分とチームは違う。

おれはふとした瞬間に、チームから一歩下がって距離を置いてしまうんだ。

根本的に不良って世界は苦手なのかも。
 

そんなうそつきなおれだけどさ、お前にひとつ真っ直ぐな約束をするよ。

チームがお前を見捨てても、おれはお前を見捨てない。

何かあれば絶対に助けに行く。


居場所こそ違えど、それこそまた対峙することになっても、お前とは友達だ。

胸張って言うよ。
そんだけのことしてもらったんだ。


おれもいつか、お前に。
 


『圭太、さんきゅ…、約束するから』



―――…。

俺は数秒、言葉を失ってしまう。

襖に寄り掛かり、ずるずると背中を預けて座り込むと、

「なんだよもう」

やめてくれよ、そんな小っ恥ずかしい告白をガチで言うの、顔から火が出そうだと俺は泣き笑いを零した。

今度どういう面してお前に会えばいいんだよ。そんな告白を聞かされてさ。