青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―



せめて居場所だけでも聞こうとするんだけど、健太は怖いバッカ言うんだ。

気が動転しているんだろう。

俺の声なんてまるで聞いていない。


けど俺の声が途切れると、必死に名前を呼んでくる。

恐怖心と懸命に闘っているらしい。

だから俺は呼び掛けに答えてやるんだ。

大丈夫だから、声は届いているから、どんな無茶な相談でも乗るから。

呼び掛け続けると安堵したような声、次いでプッツン、ツーッ、ツーッ、ツーッ。



「はい?! ちょ、健太! 健太!」



ここで電話が切れるとかないぜ!

俺の携帯の充電は大丈夫だしっ、ええいもっかい電話だ!

アドレス帳から電話番号を呼び出してコール。だけど何度電話しても出ない。

ああくそっ、どうしよう、俺の方が焦ってきたじゃないか!


どうする、何度電話しても相手は出ない。
 

だけど俺じゃあ健太が何処にいるのか、この三日間どうしているのか、それさえも分からない。

一度家に行くべきなんだろうけど、あいつが家にいるかどうか。あいつの家はゲーセンから遠い。

最短ルートで健太に会いたいんだよ俺は! ってことは…、健太の近状を知っていそうな身近な人物達のところにしかなくて。


そっちの方が近…っ、ちかっ、うわぁああああ!

くっそぉおおおっ、迷っている場合じゃないんだよど阿呆! 男見せたれ、トラウマなんてクソ食らえぇええ! 


俺は携帯をチャリのカゴに放って、鍵を引っ手繰りだす。


今回ばっかは自分のチームに頼れない。

俺一人で解決できるとは毛頭も思わないさ。

でもこれはヨウ達に頼るべきことじゃない。

あいつのチームに頼るべきこと。
健太が嫌がろうと、もう強行手段に出るからな俺。

わっざわざトラウマに会いに行くんだ。寧ろ感謝しやがれよドチクショウ!


大丈夫、もしもチームが動かなかったら俺が自分のチームに頭を下げて頼むさ。

友達のピンチを救いたいから、手を貸してくれって。

それでも駄目なら俺だけでもあいつの味方になるさ。


だってあいつは俺の大事な友達、友達だから!