あっけ取られていたキヨタは瞬きというひとつの動作を思い出し、ぱちぱち、ぱちぱち、と瞬き。


そして微かに唇を震わせると、


「俺っち」


本当はケイさんに必要とされていないんじゃないかという現実が怖かったのだと吐露。



ヨウと俺との関係、弟分からの進展のなさ、阿吽の呼吸を目の当たりにした。


舎弟なんかいなくたって、弟分なんかいなくたって、自分の兄分は困らない。


だって舎兄がいるのだから。

頼れる仲間がいるのだから。


そう思っては情けないことに自己嫌悪していたのだと鼻を啜る。


本当の意味で自分を苦しめていたのは、これだったのだとキヨタは泣き笑いし、持っていたたこ焼きのパックを放って飛びついてきた。


まだ二個残っていたたこ焼きは、悲しそうに地面に転がる。

 
「嫉妬…、してました」


ごめんなさい、ごめんなさいっ…、俺とヨウの関係に僻んでいたと教えてくれるキヨタに、「いや」謝るのは俺だと頭に手を置く。


お前を随分と不安にさせていたし、さっきも脅しに脅して怖がらせてしまった。

俺の手腕があるなし関係なく、あの脅しはキヨタにとっては多大な恐怖だった違いない。だから謝るんだ。


不安にさせてごめん、ごめん、と。