「いや、そんなことないと思うけど。なあ、ヨウ」
「んー、無自覚にしていたら反論できねぇな。しっかしどうするか。そっとするべきかもしんねぇけど、なーんかなぁ。身に覚えもねぇのに避けられても気分が悪いだけだし」
「二人の気持ちを知るには、二人と同じことをしてみればいいかもしれない。例えば二人がラブな行動をとってみる、とか」
勿論、これも冗談だが。
利二が肩を竦めてくるけど、俺達はそれだと手を叩いて決意表明。
「は?」まさか本気でやるつもりか、引き攣り顔を作る利二に首肯する。
二人の気持ちが分からない以上、二人の気持ちを理解するためには同じ行動をとってみるしかないじゃないか!
俺は立ち上がって「キヨタラブになればいいんだな」よーし、早速やってやるとその場で深呼吸。
で、次の瞬間、キャーッと黄色い悲鳴を上げた。
「キヨタ超カッコイイ! なんでそんなに小さな体で強いのかっ! その長けた合気道に、身のこなし、圭太は無駄のない動き一つ一つを瞼の裏に焼き残しておきたい!
……くっ、難しいな。
キヨタラブモードの半分にも満たしていないっ。なんてこったい、ラブの壁を感じた」
「(田山気付け。限りなく阿呆な姿を教室でさらけ出していると)」
「俺もやってみっかなぁ。
ふー…モト! 俺はモ「待って下さい。此処にいる女子が幻滅しますから!」なんで俺にはストップコールが掛かるんだよ五木」
心外だとヨウは膨れる。
「駄目です」
田山の阿呆を見たら、イケメン不良は阿呆どころじゃなくキャラ崩壊もいいところだと利二。
うん、一理あるけど…、誰が阿呆だって? え? 利二。
俺はキヨタの気持ちになろうとしていただけなのに!



