「ヨウさんとケイさんって異色だけど…、めっちゃイイコンビじゃん。学校一緒になって、それがより分かっちゃったし。
俺っちなんかが、ケイさんの舎弟になれるのかな。モトの方が合ってるんじゃないかなぁ。
モトって、ケイさんに対してズバッと意見できるだろ? 俺っち、萎縮しちまうし」
「そりゃお前とは見方が違うからな。オレはヨウさんに、あんま意見できないし…、オレとケイは好敵手だぞ? 分かってるだろ?」
「じゃあ俺っちの好敵手はヨウさんだろ?! っ…、無理だ、勝てない。あの人のカリスマ性はピカイチなんだから!」
「だよな! ヨウさんはカッコイイし! ……あっ、いや、今のはナシナシ。お前の事を応援していないわけじゃないんだぞ、キヨタ」
どーんと落ち込むキヨタに、「オレだって」未だに嫉妬しているよ、モトは自分の心情を教える。
兄分を尊敬しているが故に、ケイには毎度の如く嫉妬しているし、敵視するところも何処かである。
溢れ返る羨望がそうしていることも自覚していた。
今でこそ大人しくはなったけれど、ふとした時に棘のある物の言い方をすることがある。突っ掛かることもある。気に食わないと舌を鳴らすことだってある。
「で、自己嫌悪すんだよ。なにしてるんだオレ…ってさ。ケイのこと、嫌いじゃないのにキッツイ言い方しちまってさ。
あいつは全然気にしていないみたいだけど、発言したオレの方が『今のはマズったかも』って気まずくなるんだよ」
例えばキツイことを言ってあからさまショックを受けたような顔を作ってくれたら、「あ。今のは言い過ぎた」って謝れるじゃんか?
けどさ、ケイって言われ慣れているのか、それともオレの性格を熟知しているのか、何を言っても大体ノリで受け流すんだよ。
今のは流石に傷付けたんじゃないかなって自分で分かるくらいキッツイことを言った後でも、わりとへらへらしているっつーかさ。
態度で示してくれた方が気が楽なのに、態度で言わないからオレはますます気まずくなって。
だからって今の傷付いたか? って、聞くのもおかしいだろ?
……器がでかいって言ったら癪だけど、ケイって打たれ強いんだよな多分。
毒舌の波子の一件でよーく分かったし。
まあ、毒舌の波子のことはブチギレていたけど。
「キヨタだけじゃないって、兄分弟分で悩んでるのは。オレもこう見えて、未だに悩むことがいっぱいだ」
「モトは舎弟になりたいとか思わねぇの?」
「んー、無理だって分かってるんだ。ヨウさんの舎弟はケイしかいないって思ってるし…、キヨタの言葉を借りるならヨウさんの前じゃあオレ、萎縮しちまう」



