青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―



おい、お前、それ嫌味かよ。


モトは口元を引き攣らせた。

なにぶん、モトも取り得といえば喧嘩。


なのだが、遺憾なことに並の手腕である。キヨタと比べたら天と地の差がある。


なのに、嫌味とも言える遜(へりくだ)った物の言い草。頭に拳骨をかましたくなる。


イラッとしているモトに気付きもせず、「焦ってるのかも」キヨタは頬杖をついて弱音をポツリ。
 

「俺っち…、ケイさんに見合おう見合おうと焦ってるんだ、きっと。ケイさんってさ、超男前じゃん?」

「そっか? ヨウさんには負けるんじゃね?」


「それにいざって時は頼れるし」

「ははっ、ヨウさんには負けてるし」


「優しいし、気遣えるし、周りの空気も読めるし」

「ヨウさんに負け負けもいいところだけどな!」



「……、モト、喧嘩売ってるのか?」


「だーってオレ。ヨウさん一筋なんだぜ? そう言われてもピーンと来ないって。オレにとってケイはただの調子ノリだし、弱いし、だけど負けず嫌いだし。
……ちょっと自分を過小評価しているところもあるよな。
仲間に一線引くところもあるし、そこがめっちゃ気に食わないんだけどさ」

 

毒づくモトにジロリと睨むが、すぐに怒りは霧散。
 
「モトは」

強いよな、とキヨタは親友の芯の強さに敬意を払い始めた。

尊敬している兄貴に舎弟がいるというのに、二人は名コンビと称されているのにも拘らず、立派に弟分をしているのだから。

対して自分は名コンビに焦燥感やら嫉妬やらなんやら。


日に日に兄分の存在が遠いものに感じるのだ。
 

ああ見えて、自分の兄分はチームを陰から先導している存在。

全面的にリーダーや副リーダーがチームを先導しているのだが、彼等が見落としてしまう小さな変化は舎弟が拾ってフォローをしている。


特に良し悪し関係なく直球型のリーダーのフォローは巧みだ。


文句垂れながらもリーダーの本来の力を発揮させるために、いざとなったら持ち前の洞察力をフルに使う。

戦力外ではあるものの、チームの要的存在だ。


そんな兄分に果たして自分は見合えるのだろうか、不安は募っていくばかりだ。