引き攣り顔を浮かべる毒舌の波子に、あくまで笑みを貫き通した俺は堤さんの腕を振り払ってズンズンと倉庫の中へ。
  

「クソ田山ァアアア!」


吠える馬場さんや焦る堤さんを総無視。

倉庫の四隅に腰を下ろした俺は握り拳を作って、銜えている煙草の先端を噛み潰す。

田山圭太は不良と関わったおかげさまで、相当負けず嫌いになったようだ。


「ちょっと誰に向かって口きいたわけっ! 成績ヘボのくせにっ、ちょっとっ…ねぇ!」


あれだけメチャクチャに言われても、昔の俺はチキンになって頑なに反論を拒んでいたけど、いたけどさっ!
 

「あ。あのケイさん」


おどろおどろしい手つきで俺の肩に手を置くキヨタの行動を合図に、俺は腹の底から叫んで大反論。




「うっせぇええ毒舌の波子! 

人を貶すのも大概にしとけ畜生ッ、二度と俺の前に現れるなぁあああ!」
 



⇒#02