浩介の話によると、キャツは高校に進学してから習字をやめたそうだ。
だったら向こうも習字の縁は無くなっただろうに。
浩介の話によると、キャツは高校に進学してから習字をやめたそうだ。
だったら向こうも習字の縁は無くなっただろうに。
どんより落ち込む俺に、「まあさ」嫌なら徹底的に無視しとけばいいんじゃね? ヨウがシケた面すんなと柔和に綻んできた。
「シケた面ばっかだと楽しくねぇだろ? 気楽にいこうぜ。らーくにさ」
「是非とも俺とポジションを交替して欲しいよ。マージ、気楽にいきたい。
……、そういえばさ、シケた面と言えば、最近シズ、元気ないよな。いつもどおりっちゃ、いつもどおりなんだけどさ」
俺はふとした疑問をヨウにぶつける。
意味深に吐息をつくヨウも気付いていたみたい。
シズのことで会話をもっと会話をしたかったけど、「荒川、田山!」体育教師に怒鳴られたから、サボりは敢え無く終止符を打つことになる。
ダルイと舌打ちをするヨウを宥めつつ、俺は腰を上げて舎兄と一緒に体力測定に戻った。
毒舌の波子問題を余所に、俺は気掛かりを抱いていた。
微小の変化だけど、最近シズの元気がないんだ。
よく食べてよく寝る不思議ちゃん、食べ物に関するとすこぶる饒舌になる我等が副リーダーの元気が最近ないように思える。
本人は至って普通にしているし、話している間はこっちも普通だと思えるんだけど、なんか雰囲気がな…。
ただの気のせいだと良いんだけど、仲間をよく見ているヨウが気付いているんだ。
こりゃあ俺の気のせいじゃなくなってきたかもな。
不安や憂慮を交えた複雑な気持ちを抱きながら日々を過ごすこと三日。
まるで嵐の静けさのように何事もなかった三日後に事件は起きた。
「すみませーん、田山圭太くんって此処にいると聞いたんですけど」
そう、キャツが自ずから俺に会うために、わっざわざ荒川チームのたむろ場までやって来たのだ。
三日後の放課後のことだった。
いつものように他校のココロ達と合流して、和気藹々と皆で駄弁ったり、ゲームしたり、数人は出掛けたり、思い思いの時間を過ごしていると招かざる訪問客がやって来た。



