「よし。情報はこんなもんか。ということは」
通話を切った俺はハジメに携帯を返し、地面に広げている地元の地図に赤ペンで印を付けていく。
えーっとまずは駅周辺に出没したからここらへんで蓮さんエリア「なあケイ」
次は酒屋の路地裏付近だから涼さんエリア「ケーイ」
最後は国道三号線沿いを走っているから、浅倉さんが担当している川原側の路地裏には大よそ「まだかー?」
………。
「ヨウ。ちょっと待ってくれないか? 俺、考え中」
「んなこと言われても、待ちくたびれたんだよ。さっさと指示出してくれって隊長」
「マジ、その呼び名やめてくれってヨウ! お、おぉおお俺にプレッシャーを掛けるな!」
うわぁあああ胃が痛いっ、痛くなってきたぁああ!
赤ペンを握り締めて身悶える俺に、「隊長早く」ヨウがバッチシ悪意のあるイケメンスマイルで指示を促してくる。
こいつ、マジもう張り倒してやりたいっ…、頼むから俺にプレッシャーを掛けないでくれ!
俺はプレッシャーに弱いタイプなんだからぁああ!
伊達に学級委員や応援団等々日向係りを避けてきたジミニャーノじゃないんだぞ!
責任という二文字に押し潰されそうになる俺を助けてくれたのはシズ。
ヨウの頭を拳で殴って、「隊長の邪魔をするな」俺からキャツを引き離してくれる。
助かった反面、彼からもプレッシャーを掛けられたような気がするのは何故だろうか。
胃がますます痛くなってきたぞ。
おっと、そんなことをしている場合じゃない。
俺は中断していた作業を再開し、手早く線と線を結んだ。時間がないと分かっているからこそ、ちょっち焦りが出てくるけど今は冷静に。冷静に。冷静に。
この作戦の指揮官は俺、タコ沢、ハジメの三本柱で成り立っているんだから。
「ケイ」今は副隊長のハジメに名前を呼ばれて、俺は一呼吸。
俺の言葉を待っている司令塔がアイコンタクトを取ってきたから、「作戦は成功したみたいだ」話を切り出す。



