何を聞いても喧嘩に結び付けようとするタコ沢とキヨタ。
そうなれば、ヨウの聞く相手は自然と冷静を欠いていない奴に目が向くわけで。
「ケイ」
どうなっているんだと説明を求めてきた。
ゲンナリと肩を落とす俺は、重たい腰を上げて向こうで説明するからと隣室に向かう。
此処じゃ二人が喧嘩をしていて煩い、そう言ってヨウを誘導。
その際、がくんと足が崩れそうになったために、四隅で心配の眼を向けていたココロが駆け寄って来た。
体を支えようとしてくれる彼女に、「サンキュ」俺は一笑して、ちょっち肩を貸しててもらえるかと申し出る。
「濡れるけどいい?」そう付け加えて。
純粋に役立てることが嬉しいのか、彼女は小さくはにかんで頷いてきた。
こうして俺は彼女の肩を借りながら隣室へ。
中に入ってくるメンバーと室内にいたメンバーに目を配り、向こうから聞こえてくるタコ沢とキヨタの声に耳を澄ませる。
かんなり声のボリュームが大きくて、扉を閉めてもヤンヤンギャンギャンと喝破が聞こえてきた。
うん、これならいいだろう。
メンバーもヨウを筆頭に副リーダーや向こうの副リーダー。舎兄弟組に、こっちの頭脳派とココロがいるだけだ。チャンスは今しかない。
「ヨウ、すんげぇ不味いことになったかもしんねぇ」
俺は事情を聞いてこようとするヨウに、まず結論から述べる。
瞠目するリーダーに、
「キヨタとタコ沢はわざと喧嘩してくれている」
だからあいつ等の喧嘩は嘘だと暴露、すべては説明するチャンスを作るためだと顔を顰めた。
「チャンス。ですか?」
それってどういうことです?
ココロが俺の顔を覗き込んでくる。



