これはヨウなりの優しさなのかもしれないな。

俺と利二、ジミニャーノの中でも特に仲が良いって知ってるから。
 

俺の中で支えになっている理解者は二人、不良のヨウとジミニャーノの利二なんだ。どっちも大事だからこそ、二人と班になれることは嬉しかった。

光喜や透と班になっても嬉しいんだけどさ!


利二もヨウの気遣いに気付いたのか、微苦笑を零していた。



「退屈しねぇ面子にしねぇと面白くねぇしな!」



「………」


「………」



………。
 

こいつ、もしかして俺等のことを思ってしてるんじゃなくって…、まさか自分のため…か?

いやいやいや、そんなことねぇよな。

俺は知ってるんだぜ、お前のいかんなく発揮されるリーダーシップを!

仲間思いなお前だ、きっと俺等の仲を気にして。

 
「この面子なら気楽にサボれるしな。五木も一緒にサボろうぜ、真面目バッカ生きててもツマンネェだろ?」
 
 
「(少しでもヨウを尊敬しようとした俺が馬鹿だった)」

「(嗚呼、それでこそ荒川。今年は…、自分も欠課が多くなるかもしれない)」


「うっし、テメェ等。折角一緒の班になるんだし、今年は不良デビューを目指そうぜ。俺がみっちりサポートしてやる。あ、楽しそうだな。地味の不良デビュー」


にへらへらっと笑っている我が兄貴の思い付き発言に、俺と利二は硬直した。


出たぁ兄貴の思い付き癖、善し悪しどっちかって問われたら、後者って即答するんだぜ!


「まずは髪染めだよな」


二人ともナニが似合うかなぁ、金…、銀…、いっそウケを狙って紫…、迷うな。
顎に指を絡めて真剣に悩むヨウの姿を目の当たりにした利二はそろそろーっと黒板に足を向けた。


慌てて俺はキャツの腕をガッチリホールド。