「今から俺、ある程度の土地に目処を立たせます。
タコ沢には不良達の動きを掴んでもらって、お互いに連絡を取りながら、なるべく動きが少ない地から奇襲掛けられそうな土地に赴く」
一日じゃ無理かもしれないけど、二人で動く分、動きはとても小さい。
俺はチャリで行動するつもりですから、二日、最高でも三日あればどうにか終わると思います。
その都度、その都度、皆に連絡を入れますから、それに添って策を考えてもらえれば、と思います。
……これでどうでしょう?
「ちょっと待てよ」
俺の提案に真っ向から反対したのは、なんと蓮さんだった。
まさか彼から反対を食らうとは思わなかったけど、彼の言い分はこうだった。
「ケイ、二人で動くってのには賛同できない。
二人だけで動くってことは、それだけケイ達の危険が大じゃないか。案には賛同するけど、人数は増やした方が良い。俺も同行するから」
蓮さんが俺の前に出て、自分も一緒に土地に赴くと自己申告してくるけど、やんわり俺は却下した。
俺と蓮さんじゃ目立ってしまう。
なにせ、向こうの狙いの一つとして蓮さんが入っているんだ。
顔見知りでない俺やタコ沢の方が動きやすいだろう。それにハジメも言ったように、この行動は少人数規模であればある方がいい。
「でもさ」
不服な顔を作る蓮さんを制し、それでいこうと断を下したのは我等がリーダー。
こうしている間にも、楠本の奇襲は拡大していく一方だ。
いや、もっとえげつないことを目論んでいるかもしれない。
復讐心を滾らせている人間のやる行為なんて、正当でもなんでもないだろう。決着の時間は一分一秒でも惜しい。
「ただし」
俺も二人だけってのには賛成できない、ヨウは二人だけの行動は危険過ぎると反対の念もみせた。
最低でも各々二人組で動いた方がいい。
特に俺は手腕がない。
何かあった場合、自己防衛が働いたとしても負傷を負う確率は大きい。
「俺がついて行く」
いつもどおりチャリの後ろに乗るからと申し出てくるヨウに、今度は俺がダメだと反対をした。



