俺はこの2年余りの間、武田より近いところにいながら、片桐チーフの事をちっとも分かってなかった、って事かよ……


「中島……」


考え込んでた俺は、武田から呼ばれて我に返った。


「お前はそれを知って、どうする?」


「どうする、って?」


「麻衣ちゃんを止めて、瞳子さんに戻るか?」


「ま、まさか。そんなわけないだろ?」


「だよな?」


武田はマジでホッとした様子だった。

ふざけて言ったのかと思ったが、そうでもなかったらしい。