プチッと用件だけを言って切られた電話。
………あと、三日ね。
明日は明羅さんたちの引退式。
……俺はやっぱり総長にはなれない。
「よぉ、玲。」
「明羅さん…」
「話があんだよ。ちょっと来てくんね?」
そう言って連れて来られたのは倉庫の中の幹部室。
「………。」
「………。」
「…玲、お前は、紅蓮の総長、継ぐ気あるか?」
そんな話は。
「無理です、俺には。」
出来るものなら。
総長を継いでも良いなら喜んで継いでた。
……でも、俺は家に戻る…
俺のたった一つの癒しだった美優の笑顔。
あれが無くなるかもしれないなんて、考えられない。
それに、大切なものは手放しちゃいけねえんだろ?
見合いなんかさっさと断って力付くで舞憂を迎えに行ってやる。
だから、俺は明羅さんたちの引退と同時に紅蓮を抜ける。



