「私には、お姉さんが一人いるんです。

今…多分15歳だと思います。


うちには男の子はいないから、お姉さんが家の跡取りになるはずだったんです。そのために、昔から色んなことを習ってました。

柔道、合気道、剣道、空手……

あと、なぜか書道も。


私はそんなに真面目にやってはいなかったんですけど、お姉さんは楽しそうに習っていました。



……だけど、ある時、お父様が言ったんです。



『お前に家を継がせたら組は終わる。』って。



後から聞いたら、『婿がもらえるような女らしさがないから』だったらしいんですが…。



家のために頑張っていたお姉さんにはショックだったんでしょうね。


『分かった。』とだけ言って、家をでていってしまいました。」