手紙を読む間は、部屋のなかをテレビの音だけが包んでいた。 すごく、静かだった。 「………はあ。」 「なんて?」 ……言いたいもんじゃないなあ。 「……読む?」 玲が読めないことを分かってて、そう言う。 あたしってめんどくさい女だ…。 「読めねぇもん。」 「うん。知ってる。」 「舞憂、ドイツ語読めんの?」 「まあね。」 「なんで?」 「…ドイツ人の血も流れてるし。」 あたしは、多国籍人間だからなー。