「バカちん!
死ぬとこだったんだぞ!」


碧が美春に向かって叫ぶ。


「ごめんってばぁ!
ほら、今 十葉がハーブティーを作ってくれてるからっ!」


なだめるように碧をソファーに座らせ、美春は葵衣に手招きした。


「あなたも座って。」


美春に促され、葵衣はガラスなのかプラスチックなのか、とにかく透明がかった淡い紫色の、硬そうなソファーに腰を下ろした。


「…!?何これっ!?」


沈む沈む。


まるで、巨大なスライムの上にでも座っているかのような、そんな感じ。


「気持ちいいでしょ?
そこで寝ると、疲れなんか吹っ飛んじゃうよっ!」


言いながら、十葉が奥から湯気の立つ透明のポットとカップをお盆に乗せて持ってきた。