小さな幸せを見つけると約束して緑花と別れた。


一旦オフィスに戻る。





「…あら、おかえり。」


白衣を着た美春が出迎えてくれた。


「碧、ティアーズ ブルーに月のしずくを入れようと思うんだけど…。」


「いいんじゃね?」


碧が言うと、美春は少し躊躇いがちに言った。


「レモンが取ってきてくれたんだけど…琥珀(コハク)に黙って取ってきたみたいなの。それで怒っちゃって…。」


「琥珀に!?…ったく。
あいつを怒らせたら陽(ハル)に変わったとき どうなることか…。」


「しかも、琥珀が月のしずくを持ってっちゃったのよ。」


ハァ・・と深い溜め息を吐きながら、美春は頭を抱えた。


しばらく黙っていたが、やがて美春が口を開いた。


「…あなた達、行ってくれる?」


「うげっ!」