子どもみたい…。



クローバーの中で溺れている碧を、そんな風に思った。


しかし、それは呆れているわけではなかった。


微笑ましかった…という方が適切だろう。



「おい、何 見てんだよ!
葵衣も早く手伝えって!
早く見つけねぇと、日が暮れちまうぞ!」


碧に言われてハッとした葵衣は、自身もクローバーの中へと入った。



「…何じゃこりゃっ!」


葵衣が言うのも無理はない。


クローバーが、クローバーではないのだ。


…いや、言い方が悪い。


クローバーが、普通サイズではないのだ。


なんとも巨大な…


葵衣の鼻辺りまで育っている。


碧が溺れるのも無理はない。



「葵衣〜 大丈夫か〜!?」


遠くで声がする。


「大丈夫じゃな…」


ガサッ



突然 茂み(…と言っていいのか)が揺れた。


「碧?」


「え!?」


碧…じゃない…


碧の声と真逆…!



「誰っ!?」


ガサッ・・ワシャワシャ・・