「青い服、青い鞄、青い靴 履いて出掛けようぜ。」 「…え。」 「ほら早く!」 急かされて、葵衣は男を玄関に残したまま部屋へと戻る。 「何なのよ…。」 独り言を呟きながらも、青い服に身を包み、奥の方に埋もれた青い鞄を引っ張り出した。 「…やっぱ変だって。」 鏡を見ながら呟く。 「まだ〜?」 玄関から声が聞こえる。 「…どうでもいいや。」 そう言って、葵衣は男の元へと戻った。