「進!待ってたわ!」

「お、進。お前もっと早くこいよ。真由は最近どんどん気が強くなってきてるんだから。イライラさせんな。」

「ごめん、ごめん。真由、ドレス似合ってるよ。」

そんな、私以外の三人の会話を、私は微かに耳に聞きいれていた。


―な……んで?―

心の準備ができていなかった私の頭は混乱していた。
しかしようやく、体を後ろに向ける。
そこには、何度も脳裏に浮かべていた人の姿があった。

少し、大人っぽくなった?

スーツのおかげなのかな?


でも、その笑顔は、少しも変わってない。