「………相原?おい?」
「えっ………?あ、弘?」




いけない。
今は仕事中なのに。


『あの時』から、私は急に意識が飛んでしまうことを何度か経験していた。

最近は少なくなっていたのだけれど……。

「大丈夫か?………心?」
「ひろ……。うん。ごめんね、ちょっとぼーっとしてたの。」

今、目の前にいるのは会社の同期、斉藤弘。



私の、元彼。


私と弘は一年ほど付き合って、別れた。

それでも、私達の関係は上手くいっていた。

今は呼び方を昔に直したが、時折、お互い付き合っていた時の呼び方で呼んでしまう。

「心……お前、いろいろ大変だったんだってな。」