雅也先輩は静かに息を吐き、それからゆっくりと語り出した。
「さっき…学の友達には、簡潔に話したんだ。けどお前には、いちからきちんと話すよ…」
俺は雅也先輩を真っ直ぐ見て、頷いた。
あ〜…やばい。手汗とか俺かくのかよ緊張で。
「…俺は学に弱いところを見せたくない、責任感じて欲しくないっていう理由で、学に対して面会謝絶してた。それが悪い方向に向かってたなんて、全然思わずに…」
「俺が怪我してから仲間の皆はよく病室に来るようになった。ただ、様子が変だった。毎日苦い面してた。…怪我した俺に対しての、同情の顔だと思ってた。けど…違ったんだ。俺の腕の傷が塞がるころ聞いたんだ…若い奴からお前が仲間をぶん殴って出てったって」
不意に、目を逸らしてしまった。
「信じられなかった。学は理由なくそんなことする奴じゃないって、俺が1番わかってたから。それから…リハビリしながら仲間の内情探りをその若い奴に頼んで…俺の退院が決まった夜、真実がわかった。やっぱり学は…理由なく人を殴るような奴じゃなかった。あいつ…沼田が裏切り者だった」



