『村田 雅也』と書かれた紙が目に入り、俺はそっと近くの椅子に腰掛けた。
閉められたドアの向こうから、かすかに聞こえる声。
きっとまだまだ目は覚めないだろう。
麻酔が効いてるはずだし。
長くなりそうだ、と腕を組み、目を閉じ首を折った。
…暫くその状態が続き、夢と現実の間でうつらうつらしていると、
「まさ…く…!!」
少し大きめな声が響いた。
「!!」
俺は、はっと意識を現実に戻し、ドアを開けた。
「……梨紗子(りさこ)…ごめん…」
カーテン越しに聞こえた掠れた声に、男が目覚めたのだとわかり、俺は学にメールを入れた。
「何言ってるの…!?まさやくんっ…まさやくんは、私を守ってくれた…」
彼女の震える声に、俺の喉も絞まる感覚がした。



