受け入れ先が見つかったのか、救急車は走り出し、10分ほどで病院に着いた。
男は手術室に運ばれ、学は診察室に通された。
足の骨や、肋骨にひびが入っていたらしく、ボルトが入れられるらしい。
内臓の損傷は比較的少なかったため、意識は今日中に取り戻せるだろう、とのことだった。
「湊爽緒…」
待ち合い室に座っていた俺の目の前に、覇気の無い顔をした学がいた。
「…なんて顔してんだよ…。大丈夫だって」
…大丈夫。
「……………」
「話せよ。絶対」
「……………」
学は、ふらりと身体を翻し、歩いていった。
きっと…屋上だろう。
不思議と『病院から出る』という可能性は感じなかった。



